ことば百科

世界名数要覧
同類のもの、またとくにすぐれたものを一定の数にまとめて呼ぶことを「名数」といいます。知って いるようで、正確には覚えていないものも意外と多いでしょう。ここでは、他説もありますがよく知 られているであろう例を集めました。

三悪道 仏教でいうこの世に生きるすべてのもの(衆生)が自己の業によって到るべき地獄道、餓鬼道、畜生道の三悪。
三阿弥(さん‐あ‐み) 室町時代の父子三代の画家で、能阿弥(真能)、芸阿弥(真芸)、相阿弥(真相)の総称。足利家に仕え芸術顧問を勤めた。
三猿 それぞれ両目・両耳・口を両手でおおっている三匹の猿。「見ざる・聞かざる・言わざる」の意を表したもの。
三戒 『論語』にいう青年の女色、壮年の闘争、老年の利得の三つの戒め。
三界 仏教で衆生の生死輪廻(りん‐ね)する所。すなわち欲界、色界、無色(む‐しき)界。また、過去、現在、未来。
三戒壇 聖武天皇の命によって築かれた三つ戒壇(僧侶に戒律を授ける壇)。東大寺(大和)、薬師寺〈下野(しも‐つけ) 〉、観世音寺(筑前)。
三箇の津 中世の三大港。筑前の博多津(はか‐たの‐つ)、伊勢の安濃津(あ‐の‐つ)、薩摩の坊津(ぼうの‐つ)。「三津(さん‐しん) 」ともいう。
三韓 〔1〕古代朝鮮南部の馬韓、辰韓、弁韓。
〔2〕新羅(しら‐ぎ)、百済(くだら)、高句麗(こう‐く‐り)。
三冠王 プロ野球で、首位打者、本塁打王、打点王を同年度に獲得した選手。
三奇橋 構造が特異な三つの橋。山口県岩国川の錦帯橋(きん‐たい‐きょう)、山梨県桂川の猿橋(さる‐はし)、富山県黒部川の愛本(あい‐もと)橋。
三奇祭 一説に、富士浅間(せん‐げん)神社の火祭〈山梨県富士吉田、8月26日〉、大井神社の帯祭〈静岡県島田、10月13日~15日〉、国府宮(こ‐うの‐みや)の裸祭〈愛知県稲沢、旧暦1月1日〉。
三奇人 三人のすぐれた人。とくに寛政年間の林子平、高山彦九郎、蒲生君平。
三鏡 鏡は歴史書のことで、わが国の三大歴史書。『大鏡』、『水鏡』、『増鏡』をいう。『今鏡』を加えて四鏡という。
三峡 中国の長江(ちょう‐こう)の三つの難所。西陵峡、瞿塘(く‐とう)峡、巫(ふ)峡。
三卿 江戸時代、徳川家の親族たる田安(た‐やす)、一橋、清水の三家。
三教 〔1〕儒教、仏教、道教。
〔2〕神道、儒教、仏教。
〔3〕仏教、神道、キリスト教。
三業 料理屋、待合茶屋、芸者屋の三営業。
三曲 箏(そう) 〈琴〉、三味線(しゃ‐み‐せん)、尺八〈または胡弓〉の合奏。
三軍 〔1〕陸軍、海軍、空軍。
〔2〕中国の周時代の兵制で、大国の出す上軍、中軍、下軍。各軍1万2500人。
三家(さん‐け) 徳川御三家。尾州の尾張家、紀州の紀伊家、常州の水戸家。
三傑 三人のすぐれた人物。明治維新の三傑は大久保利通、木戸孝允(たか‐よし)、西郷隆盛。
三権 〔1〕国家統治における行政権、司法権、立法権。
〔2〕労働三権としては、団結権、団体交渉権、争議権。
三元 上元(正月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日)。
三弦 雅楽に用いる和琴(わ‐ごん)、琵琶(び‐わ)、箏(そう)〈琴〉。
三剣士 幕末の名剣士。桃井春蔵(鏡心明智流)、千葉周作(北辰一刀流)、斎藤弥九郎(神道無念流)。
三原色 〔1〕一般に赤、青、黄色。
〔2〕光線では、赤、緑、青。
〔3〕絵の具では、マゼンタ(赤紫)、黄、シアン(青緑) 。
三原組織 織物の基本である三つの組織。平織り、斜文織り、繻子(しゅ‐す) 織り。
三綱(さん‐こう) 儒教でいう社会の根本となる三つの大綱。君臣、父子、夫婦の道。
三后(さん‐こう) 皇室で、皇后〈天皇の配偶者〉、皇太后〈天皇の母の尊称〉、太(たい)皇太后〈天皇の祖母の尊称〉。
三公園 水戸の偕楽園、岡山の後楽園、金沢の兼六園。「三名園」とも。
三国 〔1〕中世まで、日本、唐(中国) 、天竺(てん‐じく) (インド) をいい、全世界を意味した。
〔2〕中国の「三国志」でいう後漢末期の魏(ぎ) 、呉(ご) 、蜀(しょく) の三国。
〔3〕朝鮮三国は、新羅(しら‐ぎ) 、百済(くだら) 、高句麗(こう‐く‐り) 。
〔4〕ベネルクス三国は、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ。
〔5〕バルト三国は、エストニア、ラトビア、リトアニア。
三才 〔1〕易で全宇宙を表す天と地と人。万物。
〔2〕人相学で、額、鼻、顎(あご) 。
三才女 平安中期の代表的な三人の女流歌人。紀貫之女(きの‐つら‐ゆきの‐むすめ) 〈紀内侍(きの‐ない‐し) 〉、伊勢大輔(い‐せの‐た‐ゆう) 〈(おお‐すけ) 〉、小式部内侍(こ‐しき‐ぶの‐ない‐し) 〈母は和泉式部〉。
三山 〔1〕大和三山は、畝傍(うね‐び) 山、天香具(あまの‐か‐ぐ) 山、耳成(みみ‐なし) 山。
〔2〕出羽三山は、月山(がっ‐さん) 、湯殿山(ゆ‐どの‐さん) 、羽黒山(は‐ぐろ‐さん) 。
〔3〕熊野三山は、熊野本宮、新宮、熊野那智大社。
三子(さん‐し) 〔1〕中国で道家を代表する三人。すなわち老子、荘子、列子。
〔2〕儒家を代表する三人。すなわち孟子、荀子(じゅん‐し) 、孔子。
三社 三つの神社の意で、伊勢神宮、石清水(いわ‐し‐みず) 八幡宮、賀茂(か‐も) 神社(または春日神社) 。
三種の神器(じん‐ぎ) 皇位の継承の標(しるし) として天皇が受け継いできた皇室の三つの宝物。八咫鏡(や‐たの‐かがみ) 、天叢雲剣(あまの‐むら‐くもの‐つるぎ) または草薙剣(くさ‐なぎの‐つるぎ) 、八尺(坂) 瓊曲玉(や‐さか‐にの‐まが‐たま) 。
三従 儒教でいう婦人が従うべき三つの道。家にあっては父に従い、結婚したら夫に従い、夫の死後は子に従うこと。
三途(さん‐ず) 仏教で、死者が悪行のために生まれる三つの場所。火途(地獄道) 、血途(畜生道) 、刀途(餓鬼道) 。
三聖 〔1〕一般に釈迦(しゃ‐か) 、孔子、キリスト。
〔2〕書では、空海、菅原道真(みち‐ざね) 、小野道風(お‐のの‐とう‐ふう) 。
〔3〕和歌では柿本人麻呂、山部赤人(やま‐べの‐あか‐ひと) 、衣通姫(そ‐とおり‐ひめ) 。
三蹟 平安時代の書道のすぐれた三人の書家、小野道風(お‐のの‐とう‐ふう) 、藤原佐理(すけ‐まさ) 、藤原行成。また、その筆跡。
三関(さん‐せき(かん) ) 〔1〕古代の奈良・京都を守るために設置された関所。伊勢〈三重〉の鈴鹿(すず‐か) 関、美濃〈岐阜〉の不破(ふ‐わ) 関、越前〈福井〉の愛発(あら‐ち) 関、のち近江〈滋賀〉の逢坂(おう‐さか) 関。
〔2〕奥羽三関は、磐城〈福島〉の勿来(なこそ) 関、岩代〈福島〉の白河(しら‐かわ) 関、羽前〈山形〉の念珠(ね‐ず) 関。
三夕(さん‐せき) の歌 『新古今和歌集』所収の「秋の夕暮」と結んだ三首の名歌。すなわち藤原定家の「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋(とま‐や) の秋の夕暮」、西行法師の「心なき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ) 立つ沢の秋の夕暮」、寂蓮(じゃく‐れん) 法師の「淋(さみ) しさはその色としもなかりけり槙(まき) 立つ山の秋の夕暮」の三首。「三夕暮の歌」、「三夕の和歌」とも。
三船(さん‐せん) の才 漢詩、和歌、管弦にすぐれていること。
三蘇 中国・宗代の三人の文筆家。蘇洵(そ‐じゅん) 〈父〉、蘇軾(そ‐しょく) 〈兄〉、蘇轍(そ‐てつ) 〈弟〉。
三蔵 仏教の経蔵(仏の説法の集成) と律蔵(仏徒の戒律の集成) と論蔵(経・律に対する注釈的研究成果) 。また、それらに通達した高僧の敬称。
三尊 仏教で、仏壇の中央と左右に並ぶ三尊仏。阿弥陀(あ‐み‐だ) 三尊は阿弥陀如来、観世音菩薩(ぼ‐さつ) 、勢至(せい‐し) 菩薩。釈迦(しゃ‐か) 三尊は釈迦如来、文殊(もん‐じゅ) 菩薩、普賢(ふ‐げん) 菩薩。薬師三尊は薬師如来、日光菩薩、月光(がっ‐こう) 菩薩。
三体 〔1〕書における楷書体(真書) 、行書体、草書体。また、生け花の真、行、草。
〔2〕唐時代の漢詩の編纂(へん‐さん) 上の分類。七言絶句、七言律詩、五言律詩の三体。
三大栄養素 蛋白(たん‐ぱく) 質、脂肪、炭水化物。
三大河 利根川(坂東太郎) 、筑後川(筑紫次郎) 、吉野川(四国三 )
三大橋 平安時代の山崎橋(山城国) 、宇治橋(山城国) 、勢多(せ‐た) 橋(近江国) の称。
三大砂丘 鳥取砂丘(鳥取) または鹿島砂丘(茨城県波崎町) 、九十九里浜(千葉) 、中田島砂丘(浜松) または内灘砂丘(石川) 。
三代集 『古今和歌集』、『後撰和歌集』、『拾遺和歌集』。
三大宗教 キリスト教、仏教、イスラム教。 三大発明 ルネサンス期ヨーロッパの火薬、羅針盤、活版印刷の発明をいう。
三大発明 ルネサンス期ヨーロッパの火薬、羅針盤、活版印刷の発明をいう。
三大秘宝 日蓮(にち‐れん) 宗の三つの秘宝。法華経の本門に説かれた本尊、本門の題目、本門の戒壇。
三大美林 木曾桧(ひのき) 、秋田杉、青森桧葉(ひ‐ば) 。
三大仏 〔1〕東大寺(奈良) 、太平寺(河内) 、関(せき) 寺(近江) の大仏。
〔2〕後世は、東大寺(奈良) 、高徳院(鎌倉) 、方広寺(京都) の大仏。
三大北壁 登頂困難なアルプスの北側の山壁。アイガー、マッターホルン、グランドジョラス。
三大祭 〔1〕(全国では) 東京の神田祭、京都の祇園(ぎ‐おん) 祭、大阪の天神祭。
〔2〕(京都では) 葵(あおい) 祭、祇園祭、時代祭。
〔3〕(東北では) 青森のねぶた祭、仙台の七夕祭、秋田の竿灯(かん‐とう) 祭。
〔4〕(東京では) 神田祭、山王祭、三社祭。
三大門 平安京にあった門のうち羅生(ら‐しょう) 門、朱雀(すざく) 門、応天(おう‐てん) 門をいう。
三大洋 太平洋、大西洋、インド洋。
三鳥 〔1〕『古今和歌集』の語句の解釈における秘伝の中の三種の鳥、すなわち喚子鳥(よぶ‐こ‐どり) 、稲負鳥(いな‐おおせ‐どり) 、都鳥(みやこ‐どり) または百千鳥(もも‐ち‐どり) 。
〔2〕料理で、鶴(つる) 、雁(かり) 、雉(きじ) 。
三天神 北野天神(京都) 、天満天神(大阪) 、亀戸(かめ‐いど) 天神(東京) 。
三如来(にょ‐らい) 仏教で、三国伝来の三体の如来。阿弥陀(あ‐み‐だ) 如来〈信濃善光寺〉、釈迦(しゃ‐か) 如来〈嵯峨清涼寺〉、薬師如来〈京都因幡(いな‐ば) 堂〉。
三人吉三(きち‐さ) 歌舞伎(か‐ぶ‐き) に登場するお坊吉三、和尚吉三、お嬢吉三。
三博士 寛政の三博士。柴野栗山(りつ‐ざん) 、尾藤二洲(び‐とう‐じ‐しゅう) 、古賀精里(せい‐り) 。
三筆 〔1〕平安初期の嵯峨(さ‐が) 天皇、空海、橘逸勢(たちばな‐のはやなり) 。
〔2〕世尊寺派の藤原行成、藤原行能(ゆき‐よし) 、藤原行尹(ゆき‐ただ) 。
〔3〕寛永(徳川初期) の近衛信尹(のぶ‐ただ) 、本阿弥光悦、松花堂(滝本) 昭乗。〔4〕幕末の市河米庵(べい‐あん) 、貫名海屋(ぬき‐な‐かい‐おく) 、巻菱湖(まき‐りょう‐こ) 。
三奉行 江戸幕府の、寺社奉行、町奉行、勘定奉行。
三伏(さん‐ぷく) 時候の挨拶で、極暑の候をいう。夏至後の第三の庚(かのえ) の日が初伏、第四の庚の日が中伏、立秋後の第一の庚の日が末伏。
三不動 〔1〕江戸の名所で、目黒不動、目白不動、目赤不動。
〔2〕大津三井寺の黄不動、高野山明王院の赤不動、京都青蓮院(しょう‐れん‐いん) の青不動。
三宝 仏教で仏〈釈迦(しゃ‐か) 〉、法〈説法〉、僧〈修行者〉。
三木 『古今和歌集』解釈の秘伝中の三種の木。おがたまの木(さかき) 、めどの木(めどはぎ) 、けずり花(造花) の三木。
三木一草 南朝方四忠臣の称。三木は結城(ゆう‐き) 親光、伯耆守(ほうきの‐かみ) 名和長年、楠木正成、一草は千種忠顕。
三松原 三保の松原、天橋立、千代の松原。
三位(さん‐み) 一体 キリスト教で、唯一なる神の三つのペルソナ〈主体〉として現れる、父なる神〈創造主〉、子なる神キリスト〈贖罪(しょく‐ざい) 者〉、信仰経験に顕(あらわ) れる聖霊なる神。
三民主義 孫文の提唱する三つの主義。民族主義、民権主義、民生主義。
三名山 富士山、立山、白山を日本の三名山という。
三役 〔1〕大相撲の番付で、大関、関脇、小結。
〔2〕労働組合で、委員長(組合長) 、副委員長(副組合長) 、書記長(事務局長) 。
〔3〕能楽で、脇方、囃子(はや‐し) 方、狂言方。
日本三景 陸前の松島、丹後の天橋立、安芸(あ‐き) の厳島(いつく‐しま) 。

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