9, 長くしない
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1つの段落は5文ぐらいまで
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1つの文は50字ぐらいまで
もちろん、舌足らずはいけない。しかし、短くしたほうがよい場合が多い。
1つの段落は5文ぐらいまで
5文ぐらいが目安である。1つの段落の文の数が多くなると、非常に読みにくくなる。文字がぎっしり詰まっていると、読もうとする気持ちがなえてしまう。
反対に、1行ごとに改行があるような文章もよくない。流れがぎくしゃくするだけでなく、読み手は説明不足の感じを受けることがある。
【よくない例】
小豆島、おなご先生、高峰秀子。この三つのことばから、映画『二十四の瞳』を思い浮かべることができる人は、少なくなったことだろう。映画は、小さな島に赴任した先生と、彼女を取り巻く子どもたちの心の交流を温かく描いていた。戦争が終わって、「おなご先生」が大きくなった子どもたちと再会する場面では、不覚にも涙がこぼれたのを記憶している。最近の映画は、SFXやら何やらで、やたらお金はかかっているようだ。しかし、空虚である。心をうつものがない。しみじみとした気分にならない。ゴールデンウイークも間近である。わたしは、映画館に足を運ぶだろうか。
【書き換えた例】
小豆島、おなご先生、高峰秀子。この三つのことばから、映画『二十四の瞳』を思い浮かべることができる人は、少なくなったことだろう。
映画は、小さな島に赴任した先生と、彼女を取り巻く子どもたちの心の交流を温かく描いていた。戦争が終わって、「おなご先生」が大きくなった子どもたちと再会する場面では、不覚にも涙がこぼれたのを記憶している。
最近の映画は、SFXやら何やらで、やたらお金はかかっているようだ。しかし、空虚である。心をうつものがない。しみじみとした気分にならない。
ゴールデンウイークも間近である。わたしは、映画館に足を運ぶだろうか。
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1つの文は50字ぐらいまで
おおざっぱにいって、20字から50字ぐらいが、1つの文の最適の文字数だと言われている。少なすぎても多すぎても、読み手に苦痛を与える。めりはりをつけるなど、特別な効果をねらうときは別だが、ふつうはこの範囲におさめたい。
〔1〕「~し」「が」などで文を続けない。
「~し」「~おり」など動詞の連用形で文を終わらせていくと、文はどんどん長くなる。また、「が」は便利な助詞であるだけに、要注意である。
【よくない例】
本部は、各支部が提出した当該月の売り上げ報告を参考にして翌月の仕入れ総量と各支部への配分量を検討し、1週間以内にこれらを各支部へ伝達する。
【書き換えた例】
本部は、翌月の仕入れ総量と各支部への配分量を検討し、1週間以内にこれらを各支部へ伝達する。検討の際には、各支部が提出した当該月の売り上げ報告を参考にする。
【よくない例】
レタスが高い。
今年は夏の日照り続きの影響で苗の植え付けが遅れたうえに、9月中旬の長雨で腐るものが続出したが、今度はその後の好天で生育が進み出荷が早まってしまったために、品薄が続いている。
【書き換えた例】
レタスが高い。
今年は夏の日照り続きの影響で苗の植え付けが遅れたうえに、9月中旬の長雨で腐るものが続出した。さらにその後の好天で生育が進み出荷が早まってしまったために、品薄が続いている。
【よくない例】
劇団の観客動員数は2年続いて減少しており、バブル崩壊後、企業からの援助も思うにまかせない状況にあるが、文化向上の使命を担うものとしての意識を捨ててはいけない。
【書き換えた例】
劇団の観客動員数は2年続いて減少している。バブル崩壊後、企業からの援助も思うにまかせない状況にある。しかし、文化向上の使命を担うものとしての意識を捨ててはいけない。
次の例の「~し」は、動詞の連用形ではない。しかし、こんな文章も避けなくてはいけない。
【よくない例】
いつもと変わらない朝だけど、久しぶりに彼に会うし、洋服も新しいのを買ったことだし、やっぱりいつもとちがう朝のような気がするんだけど、…
〔2〕長い修飾句は切り離す
長い修飾句があると、ことばの係り受け関係が不明瞭になることがある。切り離して文を二つに分ける工夫をしよう。
【よくない例】
当用漢字の特徴は、常用漢字とはちがって、掲げられた漢字や音訓で書き表せない語は、別の語に言い換えるかかな書きにする制限色の強い方針にある。
【書き換えた例】
当用漢字の特徴は、常用漢字とはちがって、制限色の強い方針にある。掲げられた漢字や音訓で書き表せない語は、別の語に言い換えるかかな書きにしなければならないからである。
【よくない例】
江戸時代に夫の暴力などに耐えかねて離縁を望む妻が数年間修行すると、離婚が認められたと伝えられ、封建時代の遺物とも思われる「縁切り寺」に、現世のご利益を求めて女性たちが通っている。
【書き換えた例】
封建時代の遺物とも思われる「縁切り寺」に、現世のご利益を求めて女性たちが通っている。「縁切り寺」は、江戸時代に夫の暴力などに耐えかねて離縁を望む妻が数年間修行すると、離婚が認められたと伝えられているものである。
長い修飾句を切り離す場合には、結論(修飾される部分)を先に出し、説明(修飾句の部分)をあとにするとよい。
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(『ことばの知識百科』三省堂刊より)