ことば百科

ことば遊びあれこれ

1, ことば遊びとは何か

 ことばは人間にとって意思の伝達や思考を行うために不可欠の記号であることは言うまでもない。このようなことばの主要な機能にとらわれず、ことばを操作し、一種の遊び道具として使い、おかしみの効果を期待する場合がある。これを〈ことば遊び〉、または〈言語遊戯〉と言う。その材料が文字である場合は、とくに〈文字遊戯〉と言うこともある。こうしたことばを使って生まれる遊びの精神は世界各国に見られ、各国に共通する遊びの形態もあれば、国や民族によって独自の形態もある。たとえば、〈なぞなぞ〉や日本の子供たちに伝わる「さよなら三角また来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い……」といった〈しりとり〉形式で続く唱えことばは、ことば遊びの一形態である。また、「へのへのもへじ」で人の顔を描くこともよく知られた文字遊戯だろう。西洋起源のクロスワード・パズルも現代では普及した。その専門雑誌も多数発行されており、知的遊戯としてもことば遊びの人気を知ることができる。

 こうしたことば遊びは伝達機能の面よりも、我々の言語生活を豊かにするために大きな役割を果たし、文芸作品のレトリックとも深く関わり、ある場合は極めて高度な知識が要求されることさえある。ここでは、そうしたことば遊びすべてに触れる余裕はないが、いくつかの代表的なものを取り上げながら、言語生活の一面をのぞくこととしよう。

(『ことばの知識百科』三省堂刊より)
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