24, 手紙に使われることば
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頭語と結語
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先方と当方の呼称
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時候のあいさつ
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前文のあいさつ
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末文のあいさつ
頭語と結語
前章で述べたとおり、手紙の種類や内容によって用いられる頭語がちがうが、その頭語に対応して結語も決まっている。またどちらかを省略するというのも、手紙の形式としては望ましくないので、頭語を置いたら必ず結語も置くようにする。
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一般的な往信
拝啓/拝呈/啓上/一筆申し上げます→敬具/敬白/拝具/拝白/かしこ/ごめんください
(注)拝啓→敬具/敬白が一般的
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丁寧な往信
謹啓/粛啓/恭啓/謹呈/謹んで申し上げます→謹言/敬白/謹白/謹具/頓首/頓首再拝/あなかしこ
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略式の手紙
前略/略啓/草啓/冠省/前文お許しください→草々/匆々/不一/不備/かしこ
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重ねて出す往信
再啓/再呈/追啓/再白/重ねて申し上げます→敬具/拝具/拝白/かしこ
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一般的な返信
拝復/復啓/啓復/拝答/お手紙拝誦→敬具/拝具/拝白/啓答/ご返事まで/かしこ
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急ぎの手紙
急啓/急呈/急白/急陳/取り急ぎ申し上げます→草々/匆々/不一/不備/右とりあえず
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先方と当方の呼称
手紙では、相手方の呼称や事柄(品物)に関しては尊敬語を用い、自分側の呼称や事柄(品物)に関しては謙譲語を用いて区別する。なお、相手方に関しても自分側に関しても、手紙の中で一度使った呼称を変えないことが必要である。自分を「わたくし」と呼んだら「わたし」「小生」などと混同せずに「わたくし」で統一しなければならない。
「基本語から引く尊敬語・謙譲語・丁寧語」に手紙で使用されることばがリストアップされているので詳しくはそこを参照されたい)。
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時候のあいさつ
【年始】
賀正/賀春/頌春/慶春/迎春/謹賀新年/恭賀新年/献寿歳旦
謹んで新春のご祝詞を申し上げます/謹んで年頭のご挨拶を申し上げます/謹んで新年の御慶びを申し上げます/謹んであらたまの歳の初めをお慶び申し上げます
【1月(睦月)】……小寒・大寒
厳冬(極寒・酷寒・厳寒)の候
寒気ことのほか厳しき折り/年改まってひとしお寒気もつのってまいりました/北風の吹きぬける音がいちだんと激しさを増しております/例年になくきびしい寒さですが
【2月(如月)】……立春・雨水
晩冬(残寒・寒春・梅花)の候
立春とは名ばかりの寒い日が/余寒なお去りがたき候/梅のつぼみもようやくほころんで/降る雨にもこころなしか春の息吹が感じられるころとなりました
【3月(弥生)】……啓蟄・春分
早春(浅春・春寒・仲春)の候
啓蟄の候ともなりましたが/日増しに暖かさも増してまいりましたが/だいぶ春めいた昨今ですが/暑さ寒さも彼岸までと申しますとおり、急に暖かくなってきました/桜前線も次第に北上して
【4月(卯月)】……清明・穀雨
陽春(春暖・麗春・桜花)の候
春まさにたけなわの候となりました/桜花爛漫の季節を迎えましたが/花冷えの日が続いております/春風駘蕩の好季節となりましたが/菜種梅雨のぐずついた毎日ですが
【5月(皐月)】……立夏・小満
新緑(惜春・薫風・軽暑)の候
行く春が惜しまれる今日このごろです/若葉の緑もしだいに鮮やかさを増し/目に青葉、食卓に春鰹ののる季節となりました/ひと雨ごとに木々の青葉もあざやかに/風薫るさわやかな季節を迎え
【6月(水無月)】……芒種・夏至
初夏(梅雨・麦秋・薄夏)の候
衣替えの季節ともなりました/はや梅雨空を迎え/うっとうしい梅雨空の毎日です/向夏のみぎり/うつろいゆく紫陽花の花が露に濡れて
【7月(文月)】……小暑・大暑
盛夏(猛暑・炎暑・厳暑)の候
暑中お見舞い申し上げます/どうやら梅雨もあけて本格的な夏がやってまいりました/文月と申しますが、この暑さでは/小暑の名にそむかず気温は上昇の一途をたどっております
【8月(葉月)】……立秋・処暑
晩夏(残暑・残夏・秋暑)の候
残暑お見舞い申し上げます/土用明けの暑さひとしおの折から/立秋とは名ばかりの暑さが続いています/連日の熱帯夜に、秋風の待ち遠しい今日このごろです/暑さも峠を越して夜には虫の声も聞こえます
【9月(長月)】……白露・秋分
初秋(仲秋・爽秋・清涼)の候
朝夕めっきり涼しさを増してまいりました/庭に咲くコスモスが夏に別れを惜しんでおります/露の涼しさひとしおの朝夕/台風一過、秋色いよいよ増してまいりました/日増しに深まる秋の気配に
【10月(神無月)】……寒露・霜降
秋冷(菊花・清秋・錦秋)の候
秋気清爽の季節となりました/菊香る候ともなりましたが/灯火親しむの候/実りの秋となりました/釣瓶落としとはよく申しましたもので、日暮れが早くなってまいりました
【11月(霜月)】……立冬・小雪
晩秋(暮秋・初霜・向寒)の候
立冬も過ぎ、めっきり日脚も短くなりました/朝夕の冷え込みも一段と厳しさを増し/紅葉の鮮やかな季節となりました/小春日和にすするお茶の香に冬の気配を感じます
【12月(師走)】……大雪・冬至
初冬(霜寒・歳末・寒冷)の候
師走の候ともなりましたが/にわかに寒さが募ってまいりましたが、雪だよりの楽しみな今日このごろ/張り替えたばかりの障子に葉牡丹の色も映え/年の瀬を迎え、お忙しい毎日をお過ごしのことでしょう
(注)各月のあとに掲げた二十四節気も時候のあいさつによく使われる。
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前文のあいさつ
時候のあいさつとは別に、手紙の種類によって前文のあいさつを使い分ける。
[相手の繁栄や健康を祝福する]
皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます/ご一同様にはいよいよお健やかの趣、何よりに存じます/ますますご盛栄のことと拝察申し上げます
[先方の安否を伺う]
あなたさまにおかれましてはその後いかがお過ごしでいらっしゃいましょうか/相変わらずお元気にご活躍のことと存じます/皆様にはご無事にお暮らしでしょうか、お伺い申し上げます
[当方の安否を述べる]
私どもも至って元気にやっておりますのでご安心ください/家内一同、おかげさまで無事過ごしております
[恩顧に感謝を述べる]
平素は格別のご厚情を賜り、ありがたく御礼を申し上げます/日ごろは並々ならぬお世話にあずかりましてありがとうございます/毎々特別のお引き立てにあずかりまして、まことにありがとうございます
[疎遠のわびを述べる]
日ごろは雑事にとりまぎれ、ご無沙汰の段お許しください/平素はご無沙汰ばかりいたしておりますが、便りのないのが元気な証拠とも申します。どうかお許しください
[迷惑をわびる]
このたびはとんだ粗相をいたしまして、おわびの申し上げようもございません/このたびの不始末、なにとぞご寛恕のほど願い上げます
[返信のあいさつ]
このたびはご丁寧なお手紙をいただき恐縮に存じます/さっそくご返事を差し上げるべきところ、なにかと雑事に追われ、申し訳ございませんでした
[初めての人へのあいさつ]
拝眉の機会を未だに賜りませずに、突然のお便りの失礼をお許し下さい/はじめてお便りさせていただきます/○○様よりご紹介いただきまして、さっそくお手紙を書かせていただきました
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末文のあいさつ
[通常のあいさつ]
まずは略儀ながら書面にてごあいさつ申し上げます/それではまたあえる日を楽しみに/どうぞお元気で
[乱筆・乱文を詫びる]
乱筆乱文お許しください/乱筆にてお見苦しいこととは存じますが、どうかご判読のほどお願い申し上げます/拙筆、なにとぞご容赦ください
[迷惑をわびる]
ご無理ばかりお願いいたしまして、誠に恐縮のいたりです/勝手なことばかり申し上げましたが、事情をご賢察ください/失礼をも顧みず突然のお手紙を差し上げましたことをひらにお許しください
[後日の約束をする]
後日参上いたしまして、改めてご相談申し上げます/なお、委細は追ってご連絡いたしますので、よろしくおはからいください
[返信を請求する]
お手数ながら折り返しご返信を賜りたくお願い申し上げます/ご返信、鶴首してお待ち申し上げます
[愛顧を願う]
今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます/倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます/引き続きご高配を賜わりますようお願い申し上げます
[健康を祈る]
寒さ厳しき折り、いっそうのご自愛をお祈り申し上げます/皆様のご健康とご多幸を心より祈っております/時節柄、くれぐれもお体お気をつけください
[伝言を述べる]
末筆ながらご一同様によろしくお伝えください/○○より、ご母堂さまにくれぐれもよろしくとのことでございます
[要旨をまとめる]
右、取り急ぎお知らせまで/とりあえずご報告のかたがたお礼まで/下記の通りご案内申し上げます/ご多忙とは存じますが心よりお待ち申し上げます/まずはおわびかたがた御礼申し上げます
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(『ことばの知識百科』三省堂刊より)