1, はじめに
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どんな文章がよいのか
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わかりやすい文章を書くために
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文章の種類のちがいによって
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ワープロを使うときに
どんな文章がよいのか
私たちが職場や日常生活の中で文章を書こうとしたとき、どんな文章を目標にすればよいだろうか。それは、コミュニケーションの効果という点にたった、わかりやすい文章である。
世の中には、名文・美文とよばれるものがある。人の心を揺り動かし、いつまでも記憶に残る文章がある。そんな文章を書くことができたら、どれほどよいだろうと思うことがある。
しかし、このような文章を目指す必要はない。むしろ、目指してはいけない。
こんな場面を想像してみよう。
職場で、商品の破損状況を伝える報告書を読んだ係長は、「商品Aに被害はなかった」と安心した。ところが、同じ報告書を読んだ課長は、「商品Aがどれくらい破損したのか、すぐに正確な数字を報告させろ」と係長をしかった。係長は、課長がなぜそんなに怒るのかわからない。商品Aは無事だったじゃないか……
報告書には、こう書かれてあった。
商品Aのすべては破損しなかった。
この箇所は、二通りに解釈できる。「破損した商品はなかった」と「一部の商品は破損した」と。これでは仕事がスムーズに流れない。この報告書は、コミュニケーションに失敗したのである。
ここで注意しておきたいのは、この失敗の責任は、係長でも課長でもなく、報告書を作成した者にあることである。自分はそういうつもりではなかった、もう少し、こちらの言いたいことをくんでくれればいいのに、といった言い訳は通用しない。相手にこちらの意図を伝えることができて、はじめて、コミュニケーションが成功したといえるからである。
現代の私たちが目標とする文章は、読み手に自分の意図を正確に伝えることができる、わかりやすい文章である。
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わかりやすい文章を書くために
この章の前半では、わかりやすい文章を書くための目安をいくつか掲げた。それぞれの目安には、できるだけ例を示し、実際に文章を書くときに役立つようにした。
- 文章を書く前に
- 文章を書くときの、日ごろの心構え。
- 文書を書くときの基本
- 二つの基本原則を身につける。
- 文章の型を選ぶ
- 文章には二つの型がある。
- 段落の作り方
- 改行=段落ではない。
- 大事なことを先に書く
- 読み手は何を知りたいのか。
- 見出しをつける
- 見出しをつけるときのポイント。
- 書き出しを大事にする
- 書き出しは工夫する。
- 長くしない
- 段落も文も短かめに。
- 一つに限る
- 書く内容は一つに。
- 一つに絞る
- 解釈も一つに。
- ねじれない
- 文の構造は正しく。
- 近づける
- 係り受け関係にあることばは近くにおく。
- 避ける
- 避けたい語法のいくつか。
- 助詞の使い方に注意
- 助詞の役割は重要。
- 正しく使う
- 慣用に従って使う。
- 箇条書きを活用する
- 箇条書きは理解しやすい。
- 表現の強め方
- 強調はほどほどに。
- 表記の仕方に注意
- 文字・記号の使い方。
- 文章を書いたあとに
- 推敲(すい‐こう)時の注意。
文章は、その全体を読んで理解するものである。だから、多少あいまいなところや不明瞭なところがあってもいいではないか、全体を読んでわかれば、それでいいではないかと言われるかもしれない。
しかし、文章は部分の積み重ねである。適切に部分を積み重ね、そのうえで全体の調和をはかるようにしたい。
達意(=言おうとすることがよくわかる)の文章を書くための参考にしてほしい。
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文章の種類のちがいによって
この章の後半では、文章の種類のちがいによって、注意したほうがよいことを掲げた。ビジネス文書と届書のところでは、標準的な書式を示した。
前半と後半をマスターすれば、もう「わかりやすい文章」は手の届くところにある。
- 記録的な文章の書き方
- レポートの書き方
- 記録文の書き方
- 日記・感想文の書き方
- 伝達・説得的な文章の書き方
- 論文の書き方
- 説明文の書き方
- 報道文の書き方
- 日常の手紙の書き方
- 手紙に使われることば
- 外国郵便の書き方
- ビジネス文書の書き方
- 届書・願書など
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ワープロを使うときに
最後に、特定の機種の使い方ではなく、ワープロを使って文章をつくるときの一般的な注意事項をいくつか掲げた。
ワープロは便利な機能を備えている。しかし、油断をすると、思いもよらないミスを起こしてしまうことがある。効率よく文章をつくるための参考にしてほしい。
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(『ことばの知識百科』三省堂刊より)