日本の外来魚の代表といえば「ブラックバス」(largemouth bass)と「ブルーギル」(bluegill sunfish)でしょう。
日本では、1925年にブラックバスが神奈川県箱根の芦ノ湖に、1966年にブルーギルが静岡県伊東市の一碧湖にそれぞれ放流されたのがその始まりです。
ブラックバスとブルーギルはその繁殖力の強さから、日本各地の在来種を食い荒らし、害魚として嫌われています。また、最近、霞ヶ浦などを中心に「アメリカナマズ」(channel catfish)が大量に繁殖しており、問題になっています。
ミネソタ州は寒い地域に属しますが、それでも「10,000 lakes」と呼ばれるこの州の多くの湖にこれらの魚は生息しています。たしかにブラックバスやブルーギルの数は多いのですが、さほど問題にはなっていません。それは、きっと食物連鎖が機能しているからでしょう。
ブルーギルはその数は多いのですが、さまざまな魚の餌食になります。先日釣ったブラックバスのおなかには、ブルーギルと「ザリガニ」(crayfish)が、まるまる1匹消化されずに残っていました。そのブラックバスも、「ノーザンパイク」(northern pike)という非常に獰猛な魚のエサになります。
ほかにも、ミネソタ州の魚、「ウォールアイ」(walleye)やブルーギルに似た「クラッピー」(crappie)など、さまざまな魚がいて、それらがしのぎを削って生息しています。日本の固有種がひとたまりもないのもよく理解できます。
一方、ミネソタ州に外来魚がいないわけではありません。五大湖のひとつで北海道よりも大きいスペリオル湖に棲む「レイクトラウト」(lake trout)は在来種ですが、「ニジマス」(rainbow trout)はアメリカ西部から、「ブラウントラウト」(brown trout)はヨーロッパから移植されたものです。
アジアからの外来魚、「マゴイ」(common carp)は最強の外来魚です。日本の汚れている河川で泳いでいるのを目にする魚はまずこのマゴイですが、当地でも猛威を振るっています。
また、中国原産の「レンギョ」(「ハクレン」はsilver carp、「コクレン」はbighead carp)も、大河のない日本では利根川など、限られたところにしか棲んでいませんが、アメリカの大きな河川は性にあったらしく、ミシシッピ川などで大量に繁殖しているようです。
日本のイメージでは、アメリカの釣りはルアー(lure)を使い、再放流(catch and release)すると思われがちですが、実は釣れる確率がもっとも高い「エサ釣り」(bait fishing)が主流で、しかも釣った魚を食べる人が多いのです。人気はウォールアイとアメリカナマズで、一方、コイは食べる習慣がないため、そのまま川に返されます。
かくして、アジア産のコイは大量に繁殖し、当地の州政府はその対処に頭を痛めているのです。
(2010年7月20日)
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